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2017年7月23日 (日)

あるがままを受け入れる

 2年に一度行われる陸上競技の世界大会が、今年の8月4日からロンドンで行われる。それに先立ちもう一つの大会「パラ陸上」は既に開始され、選手たちの活躍する姿がニュースでも取り上げられる。パラ陸上は、障害の種類と度合いによって24のクラスに分けられ行われる。義手、義足、車椅子等の道具の助けを得て、また全盲の人は介助者の声の助けを得て、競技する選手たちの姿は美しいと思う。あるがままの姿で競技し、自らを輝かしているように見えるからだ。
 アメリカの神学者ラインホルト・ニーバーが、51才の時の説教での祈りがある。「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの『冷静さ』を与えたまえ。そして変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する『知恵』を与えたまえ。」この祈りは、教会だけでなく、様々な更生のためのプログラムにも組まれていると聞くが、この祈りの言葉を実践しているのが、まさにパラ陸上の選手たちではないかと思う。彼らは、変えられない現実を冷静に見極め受け入れ、自分の心の在り様を変えることで、新しい希望を与えられたのではないだろうか。
 先日亡くなった聖路加国際病院の名誉院長日野原重明先生も、この祈りの言葉から次のようなコラムを書いておられた。「度重なる災害に日本はみまわれています。亡くなった人、失ったものを取り戻すことはできません。けれど自分の心の持ちようは変えられます。どうか傷ついている方々に『希望』という名の支えを差し伸べて下さい。自分の命の時間を他者のために使うことで、自分もまた心の幸福感が得られます。そう信じること自体が、耐える力と実行に移す勇気を与えてくれます。」(朝日新聞2012.11.26.コラムより)
 あるがままを受け入れることが次へのステップとなり、希望を生み出していく。今は道が見えなくとも、諦めずに耐えて待つ時に、道は開けてくるに違いない。神も「求めなさい。そうすれば与えられる。」(マタイ7:7)と約束してくださっているからである。そのことを体験したプレ陸上の選手たちは、自らの姿を通して私たちに元気をくれているのではなかろうか。

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