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2017年2月

2017年2月19日 (日)

あなたは悪くない

 文科省の調査によると、2015年度に学校でいじめと認知された件数は224500件にのぼる。恐らく、認知されなかったいじめも相当の件数があるだろうから、日本の全ての学校でいじめが発生していると予想しうる。私自身の記憶の中にはいじめられた記憶はないが、いじめに近いことをした記憶がある。何年生だったか定かでないが、田舎の小学校では珍しくおしゃれな女の子がクラスにいた。いつの間にか男の子の間で、近寄らない雰囲気が出来上がっていた。どのくらい続いたか忘れたが、記憶の片隅には苦い思い出として残っていた。一昨年、半世紀ぶりに同窓会で再会した折、そのことをさり気なく聞いたところ、「無視されていたなんて記憶にない」とのこと。気遣いで「記憶にない」といってくれたのか、本当にそうだったのかは定かでないが、ホッとしたのは確かなことであった。
 幼い頃にいじめを受けた経験は、大人になっても「いじめ後遺症」に悩む人が多いという。何十年も「接触障害」に苦しめられている人、20年後に突然「対人恐怖症」に陥った人。イギリスの研究では、うつ病に苦しめられたり自殺傾向がいじめられていない人に比べてかなり高いことが明らかになっているし、最近の研究では脳の形や機能にも影響を及ぼす可能性も指摘されている。「自責の念」や「自尊感情を低下させる」からである。そのような人に「気のせいじゃない」「あなたにも悪い所があったんじゃない?」「本当のところはどうなの?」などと声を掛けることでは決して解決しない。専門家に治療を受け、「自分は悪くない」と自尊心を高めてあげることが重要なのだという。(この段落、NHKのHPより)
 ベトザタの池のほとりに38年間病気で苦しんでいた人が居た。水が動くときに真っ先に入れると癒されるといわれているが、「わたしを水に入れてくれる人がいない」ために横たわるしかなかったのである(ヨハネ5章)。12年間も出血のために苦しんできた挙句イエスの袖に触った女性(ルカ8章)、罪の故に群衆の真ん中に連れ出され石を投げつけられようとしていた女性(ヨハネ8章)等、疎外され傷つき苦しんできた人々の心にもいじめ後遺症に似たものがあったかもしれない。イエスがなさったことは、彼らをあるがままに受け入れ、寄り添うことであった。それはまるで、「あなたは悪くないんだよ」と言ってくださっているかのようだっただろう。

2017年2月12日 (日)

小さな心遣い

 会堂を修復した時、錆の酷い掲示板のことを修復工事の方に相談したところ、掲示面はフランネルを貼ったベニヤ板、蛍光灯カバーは外して、そこにもベニヤ板で覆いを作るという処理をしてくださった。前面のガラス戸の戸車や取手も外れて動かすのも一苦労する状態であったが、当時はそれ以上に手を入れることはなかった。資金不足だったからである。それから1年程過ぎた頃、蛍光灯の覆いが落下してしまった。ベニヤ板が気温の変化で収縮したからだろう。裸のままの蛍光灯はみっともないので、応急処置としてダブルクリップ(枚数の多い書類を束ね続けたままにするために用いるクリップ)をガラス戸の溝に付け、覆いが落下しないようにしたが、そのためにますますガラス戸の開閉に苦労することになった。
 そんな状況を見かねた方が、昨年「掲示板ガラス戸のために」と献金してくださった。早々に業者さんに「丈夫な戸で軽くて開けやす」という条件を付けて相談すると、「透明なアクリル板ではどうか」と提案してくださった。その条件を受け入れ依頼し、早々に取り換えていただけるのかと思っていたら、しばらくして「掲示板が南向きなので、アクリル板が太陽に晒され歪むので、長期の使用は無理だろう」とのこと。こちら側の注文を受けつつも、長期使用ということを夏の間中考えてのご意見であった。私たちのことを考えての再考案、小さな心遣いに感謝して、「多少経費はかかっても、暑さ寒さにも耐えるものにしてください」と再度注文した……つもりであったが、それ以上進展しないまま新しい年を迎えてしまった。
 先週、掲示板の前面に新しいガラス戸が入った。取手も付き動きも軽やか。試しに何度も開け閉めしている内に、下のレールの隅に落下防止のダブルクリックを見つけた。作業に邪魔になって置かれたのだろうと思い、再度取り付けようとしたら覆いが動かなくなっている。疑問に思い覆いの下をのぞき込むと、ビス止めで落下しないように工夫してくださっている。とても得した気分になると同時に。そこにも小さな心遣いを見つけて嬉しくなった。
 空の鳥、野の花を見ながら神の恵みを教えてくださった主。(マタイ6:25以下)目をこらせば、私たちの周りには、神の小さな心遣いを見つけることができる。そんな一日一日を過ごせたら、足取りも軽やかにその日を過ごせるに違いない。

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