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2016年7月 3日 (日)

危うきもの

 イギリスで国民投票が行われた。27か国で形成されていたEU(欧州連合)に留まるか、それとも離脱するかを問う投票である。結果は既にご存知であろうが、「離脱する」という世界が驚くようなものになった。EUはヨーロッパ全土を巻き込んだ二度の大戦の経験から、平和のために設立されたEC(欧州共同体)から発展し、「外交・安全保障政策の共通化と通貨統合の実現を目的とする統合体」(デジタル大辞泉より)である。具体的には各々の国は主権を保持しつつ税関が廃止され、人や物の自由な移動が可能となり、2012年には欧州各国の平和に貢献したとしてノーベル平和賞も受賞した。完全ではないとしても「平和を実現する人々は、幸い」(マタイ5:9)という在り方を具現化するものとして、争いが続くアジアの一人としては羨ましい存在と映る。その一方、不満を持つ人々、特に老年層に多く、今回の結果になったという。その後のニュースを見ていると、離脱によって何が起こるのかが明示されず、一種のプロパガンダ(政治的宣伝)により群集心理が働き、離脱に一票を投じた(投じてしまった)人も多くいたことが報道されている。
 「祭司長たちは、バラバの方を釈放してもらうように群衆を扇動した。(略)群衆はまた叫んだ。『十字架につけろ。』ピラトは言った。『いったいどんな悪事を働いたというのか。』群衆はますます激しく、『十字架につけろ』と叫び立てた。」(マルコ15:11~14) イエスを十字架に付けてしまったのは、ポンテオ・ピラトや指導者たちだけではなく、群衆も個々の判断をせずに加担した。群衆が動かされたのは指導者たちによる扇動、即ちプロパガンダといえるものだが、同時に人の心の危うさを知らされる出来事であった。だからこそ神は十字架の出来事を通して、「扇動するような言葉が渦巻くような時にもイエスを思い起こし、揺るがぬ心で神が教えてくださる正しき道を歩み続けなさい」と教えてくださったのではなかろうか。もちろん忘れてならないことは、揺るがぬ心になれるよう聖霊を送ってくださっているということを。
 日本で国民投票が行われるのは憲法の改正に関する時だが、そうなった時にも「平和を実現する」ために働きたいと思う。勿論、その時を迎えないで済むことを願うのはいうまでもないが。

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