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2016年3月20日 (日)

約束

 教会は主日や記念日に色を用いる。基本は「白・赤・紫・緑」の四色である。市川教会の聖壇布がどのような経緯で制作されたかは分からないが、赤の聖壇布だけが光沢のある生地で手造り感が濃厚なものであって、私は仮のものではないかと感じていた。もっとも、赤色はペンテコステと宗教改革、就任式や結婚式、献堂式に用いられるが、他の三色に比べると使用頻度は低く、それ故に仮のままで来てしまったのではないかと想像もしていた。それで、5年前に会堂修復工事が決まりいろいろ準備する中で、私たち夫婦は「会堂の修復記念に赤の聖壇布を献品しよう」と話し合っていた。勿論誰かに話した訳でもなく、神様に約束したのでもないが…。
 その赤色の聖壇布を、千葉ベタニヤの二つの母子ホームの鍬入れ式で使用させてもらった。教区長に司式をお願いし、厳粛に式が執り行われ、工事が始まることへの感謝と無事故を願ったのが1年前の2月のことであった。特に国府台母子ホームは二度の入札不調の後にやっと契約できたという経緯があっただけに、鍬入れ式まで辿り着けたという安堵感が胸一杯にあふれていた・・・という訳で、式終了後には赤の聖壇布のことはすっかり私の頭から消え去っていた。それが必要になると思い始めた昨年5月、いつものところで聖壇布を探すが見つからない。確か持ち帰ってきたはずなのにと思いつつ、施設にないかと連絡を入れ探してもらった。しかし何処にもみつからない。さてどうしたものかと思いあぐねていた時に、夫婦で「会堂の修復記念に赤の聖壇布を献品しよう」と話し合っていたことを思い出した。それなのに実行に移さず忘れてしまっていたのを神様はお忘れになっておられなかったようで「約束したのじゃなかったのか」と隠してしまわれたに違いなかった。そして昨秋、少し雰囲気は変わったけれども、約束通りに献品させていただいた。
 先日、国府台母子ホームも完成し仮設から引っ越しも終わってから、「先生、探しておられた赤い布はこれですよね、仮設の倉庫の奥にありました」と申し訳なさそうに際出された。でも、誰にも見つからない所に置いてくれたおかげで神様との約束を果たせたのだから、私の方が感謝したいくらいである。神様も空の上で「約束は守りましょう」と言いながら、ニヤリとしておられるかもしれない。

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