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2014年11月30日 (日)

命のリレー

 11月23日、6歳未満の女児が脳死と判定され、彼女の内臓が5人の人に移植された。心臓は大阪大病院、肺は京都大病院でそれぞれ10歳未満男児に、肝臓は京大病院で10代女性に、腎臓は都内の2病院で成人男女に移植され無事に手術が終わった。児童の脳死判断例は2例目ということで、医学的にも慎重に手続きが踏まれてきたことだろう。一般的に脳死と判断され臓器移植する手続きは次のように進められる。「病気や事故で入院治療、(小児の場合は虐待の有無を確認)、脳死とみられる状態になる。医師から家族に症状と臓器提供についての説明がなされるか、家族が提供の意思を提示することもある。更に日本臓器移植ネットワークのコーディネーターが家族に臓器提供について説明し、拒否の意思の有無を確認。家族が法的脳死判定と臓器提供について書面で承諾する。1回目の脳死判定。(6歳未満は24時間以上空ける。)2回目の脳死判定で脳死と判決され、その終了時が死亡時刻となる。そして臓器が摘出され、移植手術に取り掛かる。」(以上、朝日新聞より)脳死の判定基準や臓器移植に関する倫理的なことが全て解決しているとは言えないのが現状だが、少なくとも一人の女児によって五人の方の命が長らえたことは確かである。
 亡くなった女児の父親が、提供の理由について「臓器提供という形だが病気で苦しむお子さんを助けることに娘も賛同してくれると思う。もし立場が逆であれば自分たちも臓器提供を必死で待ち望んでいたから。」という二つのことを挙げられた。そして声明の冒頭では「私どもはこれまで娘の回復を期待し見守って参りましたが、辛く長い時間を経て、残念ながら脳死状態であり、回復の見込みがもはや無いことを受け入れるに至りました」と述べられた。きっと想像を絶する苦悩と多くの涙を流されたことと思う。そして、そのご決断を受け止め移植された方々が喜びの内に人生を歩まれるなら、提供されたご家族の心もきっと慰められることだろう。
 クリスマスが始まる。人間の命を救うために始められたキリストの誕生の出来事だが、その背後には「臓器提供を必死で待ち望んでいる親御さんたち」のように救いを求める人間の姿を、神が目に留めてくださったからにほかならない。クリスマスから始まるキリストの出来事によって、私たちの命も繋がっていくのである。

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